古着をそんなに着ないミドサーによる、高円寺・古着紀行

[日曜の窓辺から Vol.13]最近あらためて、古着っていいなぁと思った話。
やすむ 2022.11.20
誰でも

この半年で、服の断捨離を2回ほどした。

それで気づいたのは、古着で買ったものは、残している自分がいることだった。

古着の街・高円寺に住んで10年、少しずつ買った古着はなんだかんだずっと一軍だ。

20〜30年前につくられた服で、そもそも買った時点でトレンドからはずれているからだろうか。5年前に着るのと今着るので、感覚が変わらないかんじがする。

さらに、買った時点で何十年も経っていて、それで状態が良いということは、プラス5年きたところでそんなにわるくならない。

なにより、「他で見たことない!」「しかも一点物!」と惹かれて買うので、愛着がある。

たとえば、このカーディガン。

最近のカーディガンと比べると、丈が中途半端なのだけど、刺繍が美しくて袖を見ると嬉しくなる。

これもカーディガンと同じ店のもの。薔薇柄と形も好きだし、着心地が楽で、がしがし洗っても全然へこたれない。

マリリン・モンローの映画を2本見て(どちらも悲しい話だったけど、マリリンがとにかく魅力的だった)、買ったもの。

このお店はレトロなTシャツが豊富で、いつかぴんとくるものがほしいなぁと、何年もチェックしていた。

このデニムシャツもまた、カーディガンと同じお店。少しお高めで、3回お店に行ったすえに購入。

3回目、いかにも高円寺という雰囲気の店員のお兄さん(高円寺といえばのバンド・銀杏BOYZの峯田さんのような髪型)が、シャツの紹介をしてくれた。

80年代アメリカのものらしい。『バックトゥザ・フューチャー』にでてきそうでわくわくする。この年代のものは、今後値上がりしていく見込みだとか。

「30年以上このスタッズが全部とれずについてるのは、つくりがいいってことですよ」

「ボタンも、今だったら、こんなにいいものをつけれないと思います。今より贅沢に服をつくれた時代だったんすね〜」

ファストファッション文化になんだかなぁと思っている最近なので、丁寧で長持ちする服づくりがささって購入。

「オーバーサイズ、普段は着ないので、うまく着れるか不安で」と打ち明けたら、「今のあわせでも違和感ないですよ。わからなかったら、質問しに店来てください〜」と言われた。

一番最近買ったのは、この虎も豹もいる豹柄(!)のジャンパー。いつも素通りしていたはじめてのお店

元アパレルで絵も描いている友人の嗅覚で店にはいり、さらに友人が「これ似合いそう」と持ってきてくれた(さすが)。

ちょうど豹柄の服と、虎がはいった鞄か服が欲しいなぁと思っていたところだった。まさか両立した服に出会えるとは(笑)。

試着してみると、強い気持ちになれた。胸には豹がいて、背中にも両腕にも虎がいる!

一歩間違えたら、大阪のおばちゃん、かもしれない。でも、そのあと忘れられず、もう一度店に行って購入した。

どれもうまく着こなせてきるかは謎。歳を重ねるほど、みすぼらしいかんじにもなりかねない。

でも、歳を重ねたからこそ、クールに味わい深く、古着を着ているマダムになりたいなぁと最近思っている。

【編集後記】

虎と豹のジャンパーは気に入って(テンションが上がる)、ここ何日か毎日着ています。

「虎だね!」「今日いかついね」と会う人会う人に、なにかしら言われます(笑)。

そうやってつっこまれるのも、古着ならではの楽しさです。

無料で「日曜の窓辺から」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら

誰でも
ホーチミンで一休みする駐妻たち
誰でも
焼酎ハイボールのフェアリー
誰でも
ロックスターは、神で天使で教祖で、宗教だと思う
誰でも
「あなたは毎日かわいくなる」
誰でも
覚えています、25歳になりました
誰でも
逆カルチャーショックの記録【Vol. 2】目を逸らす東京、子どもに手を...
誰でも
逆カルチャーショックの記録【Vol. 1】素晴らしき日本のお寿司と滑ら...
誰でも
布市場の恵比寿さん